耳が腫たり、赤みやかゆみ、または分泌物があるなどの場合に最も疑われるのは外耳炎や中耳炎、内耳炎がありますが、その他に、耳血腫や耳疥癬といった病気や皮膚病、腫瘍、異物混入などの疑いが考えられる場合もあります。

今回は黒い耳垢や臭いで考えられる病気などをお話していきたいと思います。

スポンサーリンク

犬の耳垢が黒いけど大丈夫?

犬の耳トラブルには様々な症状がありますが、黒褐色の耳垢がたまっていたらミミダニの可能性が考えられます。

乾燥したポロポロとした黒い粒状の耳垢で、とても痒がるのが特徴です。

ヒゼンダニというダニの寄生によって起こるもので耳疥癬と言われています。

ヒゼンダニは、0.3~0.5mmほどの小さなダニで耳の中で耳垢を食べて生活し、繁殖するダニですが、このミミダニ(耳疥癬)の感染経路の多くは、すでに感染していている犬や猫に接触したときの感染によるものです。

仔犬を購入したばっかりのときなどで耳をよく掻く仕草や黒色の耳垢がでてくる場合には早めに受診しましょう。

放っておくと他の犬に感染させてしまったり、外耳炎を引き起こすこともあります。

動物病院では顕微鏡を使いますが、自宅でもミミダニかどうかを確かめる方法があります。

犬の耳垢をとり、色の濃い紙の上に乗せてしばらく観察してみてください。

耳垢の中から、白い小さなダニが出てきたら間違いなくミミダニです。
ただし出てこない時もあるので、黒い耳垢がポロポロあるときには早めに受診してください。

スポンサーリンク

犬の耳垢が臭いときはどうしたらいい?

犬は健康な状態であれば基本的に耳垢に臭いはありません。

ただ、耳垢を放っておくと耳の中で溜まった耳垢が変質して異様な臭いを発生させてしまうことがあります。

その他に、耳垢が細菌やカビなどにより炎症を起こすと様々な病気を引き起こします。

例えば、マラセチア感染症の症状に耳の中がべたべた脂っぽくなり黒っぽいような褐色の耳垢が大量にでることがあります。

マラセチアとは犬の皮膚に在中する真菌(カビ)の一種です。

健康時には在中していてもトラブルは起こしませんが、免疫力の低下やストレス、栄養の偏りなどの原因で異常繁殖します。

耳の中で異常繁殖すると独特の臭いのする耳垢が溜まるのが特徴です。

臭いのある耳垢が気になるからといって綿棒などで掃除するのは良いことではありません。
綿棒で耳垢に耳の奥に押し込んでしまうからです。

また綿棒での刺激や無理にすることで傷をつくることなどによって外耳道に炎症が起こることもあり、炎症が慢性化すると外耳道が腫れて耳の穴を閉鎖してしまうこともあります。

家での耳のケアは見える範囲だけをコットンにイヤークリーナーをつけて拭き取る程度にしましょう。

臭いがある場合には早めの受診をおススメします。

犬の耳垢で病気がわかることもある?

犬が健康であれば耳の中の色はきれいなうすいピンク色で臭いもありません。

ですが、耳の中が腫れていたり、赤かったり、耳垢がねっとりしたものだったりその状態によって起きているトラブルも異なります。

少しでも耳の中がおかしいと思ったらまずは耳垢の状態や臭い、その他耳の中の異変をよく観察してみましょう。

外耳炎とは、外耳道や耳のまわりで起こる炎症のことを言います。

外耳道で起きる炎症が細菌によるものか、カビによるものか寄生虫によるものかまたはそれ以外かは病気によって異なるため、受診する際には、いつどこでどんな風に、どれぐらいの頻度で起こったのかを順序立てて説明できるようにしておくとよいでしょう。

例えば、黒色で乾燥気味のポロポロしたコーヒー豆を挽いた粉のような雰囲気の耳垢がある場合にはミミダニが疑われます。

褐色で油性気味の耳垢で内部も腫れて臭いが強い場合には脂漏性外耳炎が疑われます。
この場合にはかゆみや痛みはあまりみられません。

細菌性の外耳炎では、膿のような黄色っぽい耳だれが出ることもあります。

耳垢以外にも耳のトラブルに飼い主が気づかないケースとして、耳を触るのを嫌がる、頭を振る仕草をする、耳に毛玉ができることが多くなった、耳を床や壁に押し付けてこする仕草をするなども、耳トラブルの可能性大なので、そのような仕草が見られる場合には耳の中をチェックしてみましょう。

まとめ

耳のトラブルでよく言われることは、早期発見早期治療が長引かせないポイントだということです。

慢性化するとなかなか治りづらく再発もしやすいものもあるので、根気強く治療しなければなりません。
異変に気付いたら早めに受診するようにしましょう。

スポンサーリンク